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法律小話 その1.Constitution(憲法)について。

自動車における法務は一般企業並みに複雑多様化しています。
このような状況においては、従来の慣習や「かん」だけに頼るのではなく、関連する法律に配慮しつつ、業務を行っていく必要があります。
というわけで、たま~に法に関する小話をアップしていきます。

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constitutionコンスティテューションという言葉はいかなる過程を経て近代憲法を意味するようになったのだろうか?
ふと疑問に思ったのでまとめてみた。

Constitutionはラテン語の constitutio に由来する。
②パッと思い浮かぶのは、カラカラ帝の「今日から全員ローマ市民」のアントニヌス勅令~Constitutio Antoniniana~
※アントニヌス勅令でローマ人は誇りを失ってしまう訳だが…以上余談。
◇con-(共に)L.stare(立つ) = 共に立つがその語源。 https://eigogen.com/word/constitution/
⑤con-(共に)といえばカエサルも「コンミリーテス(戦友諸君)」と呼び掛けていたあの「con-コン」でしょうね。
⑥ローマ皇帝の支持基盤はローマ市民。「勅令」と訳されているが「皇帝と市民は(パトローネスとクリエンテス)の関係」ってのが、Constitution底流を成しているのかも。

カラカラ帝.jpg

 

次行ってみよう。それでは何故Constitutionが近代憲法を意味するに至ったのか?
①constitution概念は、1688年ジェームスⅡ世の退位との関係で初めて見られる。
②国王はtosubvert the constitution of the kingdomについて罪を義務づけられている。
名誉革命以来、単数形でのBritish constitutionがしっかりした用語法に属することになる。
④この表現は、国家組織の基本的規則に関わるもので、これへの違反には、国民は抵抗権を持つ。
⑤まもなくアメリカの植民者がこれを用いることになる。
⑥→近代立憲主義の実施の舞台は、北アメリカへ移る。まるで遺伝子のように乗り移っていくのが形成期のConstitution!
⑦イギリスで名誉革命後形成されていた用語法にしたがって、北アメリカのColonial Formsof Government或はColonial Chartersはすでに18世紀半ば頃まれならずconstitutionと称されている。
⑧イギリスと異なり、ここではこの表現は、明らかに成文の、法典に総括された法規範に関わるものであり、それは自国の国家権力の諸権限・限界をこれに対して拘束的に確立するものである。
⑨そして、この観念は1764年後、母国との争いの後イギリス憲法に対して転用された。

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「憲法」概念と憲法学(その二)
─ドイツ憲法(学)史を背景とする「日本憲法学」
https://hirosaki.repo.nii.ac.jp/index.php?action=pages_view_main&active_action=repository_action_common_download&item_id=519&item_no=1&attribute_id=20&file_no=1&page_id=13&block_id=21