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コラム:日本は巨大プロジェクトが大の苦手

 

みなさん、お元気ですか? 行政書士の松山です。本記事は、「学校の成績を良くする方法は?」https://www.rescue-119.jp/news/archives/1285 こちらの記事のスピンオフとなっています。

本記事「日本は巨大プロジェクトが…」のソースは全て個人の感想ですが、閲覧注意となります。私自身、書いていて日本がなぜ国民一人あたりGDPが東欧・バルト3国よりも貧乏な国になりつつあるのか、突きつけられる思いがしました。スコットランドが滅びたダリエン計画を何度も何度も繰り返している印象です。

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youtube動画 ダリエン計画:スコットランドを破産させた計画 https://www.google.com/url?sa=i&url=https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fwatch%3Fv%3DabTZPPBFBXw&psig=AOvVaw2XT8RTDahtRcMQzKPz2N2i&ust=1722523227487000&source=images&cd=vfe&opi=89978449&ved=0CBQQjhxqFwoTCPCi0aPB0YcDFQAAAAAdAAAAABAE


さて日本は半導体シェア売上高が世界70%→6%に転落するまであっという間でした。残念ながら半導体特有の現象ということではなく、日本は巨大プロジェクトというものを大の苦手としています。結論から先に申し上げます。巨大プロジェクト=戦争です。日本がビッグプロジェクトが苦手ということは、日本が戦争に弱いということに尽きます。以下①~⑱を個別検討します。

世界最強、帝国陸海軍

①第二次大戦最初の半年間、われらが日本軍は鬼神のような強さでした。あの強さでなぜ大戦に負けるのかわからない強さです。空の神兵によるパレンバン油田制圧の一つだけでも、いきなり戦争目的達成。制圧後は三菱石油の玉置氏の指揮により一同火の玉となって復旧。日本の年間産油量を上回る470万kl/年を確保。これは日本の悲願だった油の問題が解決された瞬間で、空挺団指揮官は天皇陛下拝謁の栄誉を賜りました。パレンバン油田は終戦まで連合軍の空襲によく耐え、稼働率50%を保持し続けました。

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太平洋、インド洋に敵なし

さらには帝国陸軍銀輪部隊によるマレー攻略シンガポール陥落、香港陥落、バターン・コレヒドール攻略。帝国海軍もスラバヤ沖海戦、バタビア沖海戦、マレー沖海戦比島航空撃滅戦では、往復1,660Kmの超長距離アウトレンジ攻撃に成功。海軍搭乗員たちの奮励努力は空母数隻を創出したに等しい戦績でした。セイロン島沖海戦では命中率87%江草急降下爆撃隊…どの戦いも下士官以下が鬼神のように凄かったのです。真珠湾攻撃水雷攻撃技術においても、地上で見ていた敵米軍パイロットに「上手い!」と感嘆されています。コンピュータ制御などない時代です。すべては人の手による操縦でした。(それまで、日本人パイロットなんて大したことないだろうとタカをくくられていました)

日露戦争では「あの支隊のあの神業がなければ今頃は…」の連続でロシアに勝利しました。まるで明治の日本が昭和に戻ってきたかのような下士官以下の驚異的な強さもあっての連戦連勝でした。たったの半年間で太平洋とインド洋からはアングロサクソン艦隊がほぼ一掃される状況になっていました。

IMG_3731.jpegこの状況、どこかで見たことがあると思ったら、あれですね。新世紀エヴァンゲリオン 第拾参話「使徒、侵入」。自爆装置の起動が残り数秒まで迫ったところで赤木リツコの作業が終わり、残り時間が2秒から1秒の間となったところで、第11使徒イロウルにハッキングされつつあったカスパー、バルタザール、メルキオールが元の状態に、ぶわーっと戻って、自律自爆の提訴が否決されるあの場面です。アジア・アフリカで殆どただ一か国植民地支配されなかった日本の奮闘で、太平洋とインド洋をハッキングしていたアングロサクソンの艦隊がぶわーっと消え去りました。当時の日本はエヴァでいうところの自滅促進プログラムの役割を果たしたのです。

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なお日本の敗戦後も、一部の日本兵は現地に残り、軍事顧問となり、現地人に軍事訓練し、旧日本軍の武器を横流しで供与することにより、対アングロサクソン自滅促進プログラムを作動させ続けることになります。

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下士官以下は世界一優秀。指導者層は世界一無能

日本の下士官以下の強さを全世界に見せつける半年間だったと思いますが、彼らの此れ程の強さを見るにつけ、50分遅れで宣戦布告した外務省ほか、指導者層の腰が抜けるほど思考硬直の根源、あれは一体何なのか検討します。映画にもよく出てくる真珠湾攻撃まであと僅かの場面です。本国から送られてきた宣戦布告文章の暗号解読とタイプが間に合いません。そこで、なんと彼らは、ハル長官に電話をかけて、独断で「面会時間を延ばしてほしい」としました。呆れ果ててアゴが外れます。結局、野村吉三郎大使と来栖三郎特命全権大使が最後通告をハル長官に手渡したのは1時間20分遅れの2時20分で、真珠湾攻撃後すでに50分が経過!もう、抜けた腰も、外れたアゴも元に戻りません。タイプした文章でなくとも、宣戦布告というものは口頭で伝えればそれで済むのです。これでは日本軍下士官以下がいくら世界一強くとも、未来永劫勝てる道理がありません。

当時の大使館員は戦後、出世しています。それは外務省の組織防衛のためです。日本の組織は功労者をはじき出し、失敗者だけが出世をするシステム構造です。この組織構造により、日本の指導者層は個人がいくら有能であろうと、組織全体では世界一無能にならざるを得ないのです。

お役所の掟と御法度「規定外ノ仕事スルベカラズ」

仮に野村吉三郎大使か、来栖三郎特命全権大使が機転を利かし、口頭で真珠湾攻撃の前に、宣戦布告を行い日本に貢献したとします。そのような機転の利く人物は組織として要注意で目を付けられ、排除の対象になります。おそらくは戦後の出世もなかったでしょう。野村吉三郎大使か、来栖三郎特命全権大使も日本という組織で機転を利かせる恐ろしさを骨身にしみて知っていますから保身したと思われます。決められたこと以外をやり、余計な機転を利かせ生贄にされて真綿で首を絞めるように組織に虐め殺され生贄にされ名誉も回復されない恐ろしさを知っているのです。ですので私としては、両大使個人に帰責性があるわけではないと考えます。誰が大使になったところで結果は変わらないでしょう。個々人のパーソナルな問題ではなく組織の問題と解します。

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ハル国務長官(中央)と共にホワイトハウスに向う野村大使(左)と来栖大使(右)
(1941年11月17日)Wikimedia Commons

繰り返される戦術的勝利と、戦略的敗北

閑話休題。そして勝利のたびに歴戦の勇士たちは連合国によって着実に削られていくことになります。当時の戦闘機パイロットは短期決戦が前提の少数精鋭主義です。いくら鬼神のような強さを誇っても、1回の戦闘で死傷者1/10、次も1/10、その次も1/10、また次も…と戦闘を重ねるたびに、補充の利かない真珠湾以来の精鋭たちが長期消耗戦で散っていきました。そんな「ピュロスの勝利」に、商船の壊滅(損耗率は神風特攻隊以上)に加え、珊瑚海海戦戦略的敗北に、ミッドウェー海戦空母4隻撃沈以来、現在に至るまで日本は敗北に敗北を重ね、その敗北のたびに天文学的な国富が失われるようになります。


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急降下爆撃を受け炎上する空母飛竜


壮絶!自分が損をしてでも、足の引っ張り合いをする日本人

②以上が戦前、ここからは戦後になります。戦後もビッグプロジェクトの失敗が続くことになります。高度成長期のその裏側で日本衰退の種はバラ撒かれていました。「民は生かさず殺さずの江戸時代の老中の発想」「時代錯誤の空港行政」をしている間に、日本のハブ空港は外国の仁川(ジンセン)に攫われ、
③原発のメルトダウンによって、向こう100年間で100兆円、200兆円ともいわれる被害総額に、国土の一部も事実上失われたも同然で、
MRJは7回の延期の後頓挫、(失敗原因究明の記事や番組、特集が多く組まれましたが、纏めると要するに足の引っ張り合いに終始していたに尽きます。日本の組織は巨大になればなるほど、お互いの欠点を咎め合い、足の引っ張り合いになってしまいます。これは元をたどれば、小さな日本列島の限られたリソースの中で生きていくために構築された、1万年持続した縄文時代から続く先祖の知恵なのですが…)
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⑤開会式がトラウマ級かつ、人件費の97%等中抜きで予算が7340億円から3兆6800億円に膨張した2020東京五輪に、(パリ五輪を見て追記。選手への食・住・移動、個々のスタッフの瑕疵のない基礎的運営力、当たり前のこと(上等な普通)を提供する等、下士官以下の能力は抜群と再認識。上層部が無能でも下士官以下の有能さで何とかする日本
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⑥韓国高速鉄道入札も新幹線方式はフランス方式に敗北。韓国の他に、台湾、中国、アメリカ、ブ ラジル、インド、ベトナム、マレーシア、イギリス等にもインフラ輸出を試みましたが、成功したのは台湾のみ、それもシステムは欧州併用という限定付きで、
⑦オーストラリア海軍への、そうりゅう型潜水艦受注は情報戦の段階で既に敗北→結果も勿論フランスに敗北。→後日談。そのフランスもUKUSA協定(ファイブ・アイズ)に敗北。
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インドネシア高速鉄道入札は一帯一路に敗北、※現地を地質調査・測量し、精密な計画をたてた下士官以下は非常に優秀だったことを追記しておきます。
ベトナム高速鉄道もまた、鉄道路線の地形調査や設計のノウハウだけ盗まれて、一帯一路に敗北しようとしています。
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https://openjicareport.jica.go.jp/pdf/12235354.pdf

⑩地上波デジタル放送ISDB-T方式規格の敗北→唯一シェア獲得の南米もブラジルに足元を見られ→ISDB-Tb方式に乗っ取られ敗北、
⑪アフガニスタン邦人撤退作戦は自衛隊機を4機派遣して、500人の予定が救出できたのは0人。唯一、共同通信社の女性記者、安井浩美氏については、ジャーナリスト用にカタールがチャーターしたバスで自力で空港まで来れたというだけで、救出ではなく回収です。日本大使は現地スタッフ500人を見捨てて真っ先に脱出。オランダは1900人脱出するも一部が取り残され外相が責任を取って辞任。日本は誰も責任を取らず処分もされず世界中が唖然としました。つまり日本の国際的信用も、現地協力者と一緒に、カブールに捨ててしまったのです。日本の信用力は地に落ちましたが、おそらく外務省の関係者は何ら責任を問われることなく出世していくでしょう。それが組織防衛のためですから。

仮に大使館員の誰かが機転を利かせ、現地スタッフ500人を見事に脱出させたとします。その大使館員はもう出世の見込みはないでしょう。それどころか官邸・外務省組織全体として憲法違反を問われかねず、大問題に発展したこと必定です。故に真珠湾攻撃のときと同じく、アフガン総領事以下、個人に帰責性があるわけではないと考えます。やはり誰が総領事になったところで結果は変わらないでしょう。個々人のパーソナルな問題ではなく100年以上前から変わらない組織としての在り方の問題と解します。

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ただし、組織がどうとか個人があれとか、そんな日本国内における諸事情なんて外国人は知ったことではないのも事実です。これらは日本円の信用力が、世界中の投資家に見限られる最後の1滴となりました。世界は思ったことでしょう。なんという腰抜けの国だ…。これがカミカゼで最後の最後まで戦ったあの日本の今の姿か!コップからは水は溢れ1ドルは中長期的に200円に向かい、国富と庶民の貯金も半減するトドメの一撃になってしまいました。

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⑫リニアモーターカーも「SUZUKIの鈴木修会長ー川勝静岡県知事」を傀儡にした大陸の関与等で遅延→海外パッケージ型輸出敗北確実。しかしそんな外国の関与以前に、何処の誰が、現地の協力者500人全員を見捨てる国、誰も責任を取らない国のリニアを買ってくれるというのでしょうか。何処の投資家がそんな国の通貨を信用してくれるというのでしょうか?

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⑬2024年、日本政府はオーストラリア海軍が導入を計画する新型艦の入札に、海上自衛隊の最新鋭護衛艦「FFM」(もがみ型)で、スペイン、韓国、ドイツと競合、参加する方向で検討に入ったという事ですが、どう見ても噛ませ犬、アテ馬です。他国よりいい条件を引き出すために利用するだけ利用されてポイ要員です。哀しすぎて笑えてきます。


ついに憲法まで付喪神化して、日本人の足を引っ張り始めた!

※⑪について、80年近く放置されたままの憲法が、意思を持ち始めた感があります。
日本国憲法日本人同士足の引っ張り合いで楽しそうだな。よっしゃ!ワシも参加しよ!日本人の足引っ張ったろ!
このまま憲法に足を引っ張られたままで台湾有事の邦人救出どうするのでしょう。このままではアフガニスタンと同じく、憲法上の制約で見捨てられる運命にあります。一体何のための憲法でしょうか。憲法を護って国滅びる、玉よりも飛車を可愛がる…憲法改正もせず、ぐず愚図しているしているうちに憲法上の制約でカブールでは国際的信用を失い、その流れで⑫リニア用のインフラ輸出も頓挫に、⑬もはや世界からはポイ専用の要員扱いと、ボディブローのように効いています。自分の領土も満足に護ることができていません。尖閣諸島→東シナ海ガス田採掘→沖ノ鳥島に観測ブイ設置→長崎県男女群島沖の領海上空侵犯→測量艦が鹿児島県口永良部島近海領海侵入→やがては沖縄→日本本土と、じわじわ国土を失い、亡国の流れになっています。内蒙古・満州・チベット・東トルキスタン・香港・台湾は人ごとではありません。(しかし、大陸政権の、この、100年200年300年単位で、真綿で首を絞めるように日本をじわじわ侵略する手法、敵ながら巨大プロジェクトが得意と言わざるを得ません)

⑭対露北方領土交渉は、1992年の唯一無二の絶好の機会を宮澤喜一内閣が逃したあとは、足元を見られ続けて結果、長い時間と莫大な経済協力金を失っただけでした。1991年、旧ソ連も崩壊していましたが日本もバブルが崩壊していました。
⑮日本の基幹ロケット「H3」について、世界のロケット市場を熟知する関係者は「先頭を走る米国との打ち上げ競争は100対1の劣勢。H3は惨敗必至」と酷評します。日本の宇宙機器産業に携わっている従業員数は1万人を下回る規模で、日本の自動車産業就業人口が534万人ということと比較すると著しく少なく、日本の「宇宙村」の顔ぶれも50年間変わっていないといいます。もちろん需要は官需が9割。このリソースでいったいどうやって…
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令和6年10月14日、追記。
「上記⑮の100対1の劣勢。H3は惨敗必至」ですが、訂正が必要になる報道がありました。100対1どころか、もはや勝負になりません。再利用方式なら発射に必要なコストは1/10以下にカットされます。
以下、yahooニュースより引用します。
スペースX(SpaceX)の「スターシップロケット」は2024年10月13日、5回目の試験飛行で世界初の成功を収め、イーロン・マスク(Elon Musk)が率いる打ち上げシステムが宇宙飛行に革命をもたらすという可能性を示した。
この打ち上げシステムは高さ71メートルのスーパーヘビーブースターの上にスターシップロケットを搭載したもので、全長は121メートルにもなり、自由の女神像よりも高い。
打ち上げ後、軌道に向かうスターシップから切り離されたブースターは、地球に戻り始めた。テキサスにある発射塔に向かって降下すると、巨大な機械式の「箸」のようなアームによって回収された。巨大なブースターが、崩壊することなく地球に帰還することができたのだ。(引用了)

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今を去る2021年9月30日、本田技術研究所および本田技研工業は宇宙事業への参入を明らかにし、「再使用型小型ロケット」を目標に掲げましたが、早くもイーロンマスクに先に実用化されてしまいました。しかし、私個人的にHONDAロケットに一縷の望みを託します。本田宗一郎氏の生前の夢を実現させたHONDAジェットのように、ホンダの親父さんの宇宙への夢が実現することを願って止みません。2029年の史上2番目の再使用型小型ロケットHONDAロケット打ち上げのニュースを待ちます。

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私は自動車の仕事をしています。HONDAの関係者から興味深い話を伺ったことがあります。「松山さん、クルマが売れる、売れないってのはね、心霊の世界なんだよ」「人知を超えたところにあるんだよね」私はこの話をいまだに理解できずにいますが、HONDAの創業者たる本田宗一郎もまた人知を超えた存在であることは確かです。創業者の魂がこの世に残り続けて、夢を見続け、後継者たちが夢を叶え続ける。会社創業者にとってこれほどの幸せはありません。

世界標準化の前に敗れ去る、日本のガラパゴス規格

⑯winny金子氏の逮捕を思い返せば「P2Pは違法だ」というイメージが広がり、日本ではP2Pシステムの開発が止まり、検索サーバにキャッシュを置くのも違法だといわれ、検索エンジンの開発も止まってしまいました。その間に世界では、P2P技術を利用したIP電話、スカイプが普及し、今では国際通話のほとんどはスカイプで行なわれるようになっています。使われたのは金子氏の開発したキャッシュ技術で、他にもこの技術はサーバ間の転送などに使われています。しかし金子氏が逮捕されてから無罪が確定するまでの7年間に、日本のP2P技術は壊滅してしまいました。取り返しのつかない損失でした。P2Pシステムの失敗の源流を辿れば、ルンバやiPod等で後塵を拝し、取り返しのつかない事態となった理由も同根とわかります。特にiPodとSONYの「石鹸箱」との対比は当時衝撃的で今でも悪夢に魘されます。日本凋落の始まりを象徴する対比でした。日本のガラパゴスは性能面で劣るわけではありませんが、この前後から欧米の世界標準化の前に次から次へと敗れ去ることになります。
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余談続きます。なぜ欧米は世界標準化を得意とするのでしょうか?例えば西洋のクラシック音楽です。なぜ「西洋音楽」だけがスタンダードになったのでしょうか? その要因はいろいろあると思いますが、なんといっても「楽譜」と「記譜法」の発明が大きいのです。日本の将来に必要なのは「楽譜」「記譜法」の発明に相当するソフトウェアですが、日本が縄文時代以来の究極の血族社会・村社会・排他的社会である以上、非常にハードルが高いと言わざるを得ません。「インテル、入ってる」のCMも当初は関係者ですら「?」で理解することさえ困難でした。閑話休題。西洋以外にも「楽譜」「記譜法」はもちろん存在しますが、どうしても地縁、血縁等に縛られて門外不出でガラパゴスなものとなってしまいます。西洋の標準化システムの元を辿ると、古代ローマのアウグストゥス帝に行きつくように思います。従来あるものをシステム化・普遍化し、ブリタニアからメソポタミアまで広がる多民族国家ローマ帝国全体に普及させるのは彼の得意とするところでした。

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加えてキリスト教です。教義として、家族や親戚といった地縁・血縁による結びつきをいったんは拒否するそうです。とはいえキリスト教が地縁や血縁関係を否定し、無視する…というわけではないそうですが、このあたりの機微は宗教学者ではないド素人なので、まったくわかりませんが、西欧の人々が、ガラパゴス化の正反対の価値観を持つ人たちであることは何となく理解できます。要するに彼らのコミュニティはあらゆる楽器が収斂される西洋楽譜的であり、あらゆるハード、ソフト、周辺機器が収斂されるMS-DOSwindowsiOS、android、bluetooth,IEEE 802.11の「ようなもの」なのです。対人関係からして既に、オペーションシステム・その他のように、広く繋がっているのです。例えば非構造化データを保存するcloudストレージ・パブリックなAWSクラウドなんて、日本人単体では1,000年経っても無理だったでしょう。上層部に潰されるからです。ルンバ型ロボットも「仏壇のローソク倒したらどうするんだ!」と松下電器上層部に潰されたという都市伝説があります。(そんな事を言っていたら、ガスも電気もダメ、フネもクルマも飛行機もダメ、刃物もダメ。何もかも危険性で駄目、人類自体も地球環境にとって駄目ということになる)閑話休題。歴史的、宗教的にも普遍化・標準化が得意な欧米システムに、日本はどのように立ち回ればいいのでしょうか。残念ながら私にはわかりません。次の若い世代を応援することしかできません。

IMG_3693.jpeg1995年11月23日 秋葉原


東芝は2015年に会計不正が発覚し、歴代3社長が辞任。2016年末に米国原発事業で巨額損失が露見し、債務超過に転落、事実上かつての日本を代表する巨大企業「東芝」は消滅しました。東芝関連の報道ピーク時は、まるで悪夢を見ているようでした。社員一同がコツコツと懸命に稼いだカネを、経営陣が虚栄心を発揮した挙句、血と汗と涙の結晶の数兆円と、企業の命運を一緒にドブに捨てたのです。

⑱2025大阪万博は21世紀のインパール作戦・本土決戦と称されます。本土決戦は天皇陛下のご聖断で辛うじて阻止されましたが、全員玉砕するまでけっして作戦を中止しない旧日本軍と同じ失敗を何回繰り返せば済むのでしょうか。もういい加減巨大プロジェクト自体止めないといけません。日本という国は地道に細かくコツコツやるしかありません。

蛇足続きます。冒頭で引用したスコットランドのダリエン計画と今の日本がそっくりすぎます。かつて読んだ『とびきり哀しいスコットランド史』〜哀しすぎて笑える〜(ちくま文庫)。この本を要約すれば、スコットランドという国は、若い王が死に、幼い王の摂政政治で乱世となり、貴族の争いとフランスの接触が繰り返されるというもの。お互いに足の引っ張り合いをしているだけで、平和な治世の期間は極めて少ない。やがて国であることをやめてしまった…となります。

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日本も第二次大戦の敗戦から、原発メルトダウン、MRJ敗戦など、対外的巨大プロジェクトに成功したという話があまり思い浮かびません。日本人同士、足の引っ張り合いをしているうちに、円の価値(国富)も半減しようとしている現状です。イングランドに併合されたスコットランドの哀しすぎて笑える状況は、けっして人ごとでは無いと思います。事実、熊本県は台湾の半導体メーカー(熊本に出向している一般社員TSMC台湾人の年収2450万円)に吸収合併されているような錯覚すら感じるこの頃です。中長期的に円が200円になれば熊本に住む台湾人社員の年収は円換算3,000万を超え、日本人との給与差はますます広がるのでしょう。


ここまで実例をあげてあげてきましたが、みなさん疑問に思わないでしょうか。巨大プロジェクトが苦手な日本が、なぜここまで巨大プロジェクトに執着して、失敗するとわかりきっているのに、どうして何度もやりたがるのでしょうか?私は心理学者ではないのでよくわかりませんが、似たようなものを見つけることができました。

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クレヨンしんちゃんが何でも自分でやりたがる、あの心理ではないでしょうか? マ元帥の言っていた「日本人はteenagerに至らない子ども」という指摘は言い得て妙です。

もう一点疑問です。近代の明治維新から富国強兵、日清・日露までの巨大プロジェクトが何故成功したのか?それは薩摩の外交力に頼ったところが大きいのです。薩英戦争を思い起こせば、鹿児島『』をとして、5000倍の大英『帝国』の敵の大将を討ち取って勝ち、結果、薩英は友になり、挙げ句の果てに日英同盟にもっていくとか尋常ではありません。国力が5000倍の敵に勝つとか、人類の歴史上、後にも先にも薩摩藩だけです。薩摩の戦争の強さには舌を巻きます。日英同盟は21世紀の現在、復活の兆しすらありますすべては160年前の薩英戦争勝利の余波です。日本はあの地域だけ特殊なのです。薩摩の元勲・軍人、薩摩出身の外交官(岩下方平、寺島宗則、鮫島尚信、森有礼、吉田清成…)が死に絶えた後に、第二次大戦に突入した時点でそもそも無理がありました。薩摩の小泉元総理の郵政政局もしかり、薩摩の人が強権発動する場合、例外1として巨大プロジェクトは成功するようです。

例外2食の安全保障です。こと食い物に関しては日本は無類の強さを発揮します。2010年ワシントン条約締約国会議でクロマグロ漁の全面禁輸の危機では、掟破りの多数派工作に加えて、ダメ押しにリビアの故カダフィ大佐まで動員してマグロ禁漁から日本を救いました。西欧諸国は日本はマグロでここまでやるのか!?と、その執念にびっくり仰天しました。日本の気合勝ちです。危うくもマグロがクジラの二の舞になる既の所での回避でした。今日、日本の食卓で普通にマグロが食べることができ、すし屋で大将に「トロ!」と言えるのは、故カダフィ大佐のお陰でもあるのです。しかし日本人の食への執念は、いったい何が由来なのかよくわかりません。今後の研究課題です。

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福島県伊達郡の中村善右衛門の創意工夫、ミッドウェーで2度目の兵器転換命令を30分でやってみせた海軍整備兵たち、小惑星探査機はやぶさの「こんなこともあろうかと」等、個々人(下士官以下)の常軌を逸する優秀さが日本の救いで、我々行政書士界隈の新人にも大学生で年収2000万を超えるなど、常軌を逸して優秀な新しい世代が台頭しつつあります。これから50年、彼ら若き次の世代の活躍に期待してください。巨大プロジェクトがほぼ失敗する現実日本が戦争に弱いという現実がある以上、これからも個々の力で何とかする以外ありません。地道にコツコツと。

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コラム:学校の成績を良くする方法は? ー 漢字「成績」の物語 ー


みなさん、お元気ですか? 行政書士の松山です。
Q学校の成績を良くするには?
A.漢字で成績と書ければ、良い方に向かいます。
(3行でまとめました)

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漢字「成績」について、100人中何人が実際に書くことができるのでしょうか。教育・受験指導の西村創先生(河合塾Wing)によると成績の間違えやすい漢字の王様格で、大人になっても成積と書き間違えてしまう人が少なくないといいます。

書くという行為について検証してみます。令和6年の東京都知事選挙では石丸伸二石丸幸人と書き間違える人が9万6000人近く「続出」しました。当初私は100人に一人くらいは間違えるのでは?と思っていましたが、18人に一人の割合で書き間違えるという喜劇のような悲劇的な結果で、予測値をはるかに超える衝撃的数字でした。この結果から類推するに、成績成積と書き間違えるひとも相当数いると思っていいでしょう。175万4585は統計的に有意なサンプルサイズです。人間の脳にとって「書く」という行為(脳内ビジョンを瑕疵なく正確に書き記す行為)は簡単ではないという事実が証明された18分の1事件でした。

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画像引用:京都大学大学院 人間健康科学系専攻 言語聴覚士 宮崎圭佑氏の記事 +1985 KONAMI

上図を見る限り、文字を書くまでに必要な脳内認知過程は単純なものではありません。脳機能も使わなければ衰えると考えるのが自然でしょう。DX化等により、文字を書く機会は減る一方です。悲劇の極みは喜劇、喜劇の極みは悲劇といいます。現状のアナログ方式の選挙で日本の民主主義、大丈夫なのでしょうか? 漢字教育と時代の変化、大丈夫でしょうか?

そして皆さん!
②績という字は小学5年生で習いますが
③(SNSの画像動画投稿サイトへの関心が高まる反面)
文字を書くこと、文字への関心が相対的に薄れつつある中
⑤5年生の子に成績はなぜ成績と書くのか、
100人中何人が説明できるでしょうか?

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偉そうに書いていますが、私自身もつい数年前まで曖昧なままでした。由来が解るようになったとき、人生の大事な忘れ物を見つけた思いがしました。
ここか!」「小5の、ここから人生をしくじっていたのか!」絡みついた過去の糸を順番に解きほぐし、人生をやり直していくうちに、気付けば(?)行政書士試験に合格し、更に上位試験にまで挑めるようになりました。これには親兄弟に、嫁もびっくり仰天です。そうなんです、成績が「腑に落ちて成績書けるようになれば成績は良くなるのです。こんな単純なことに何故気が付かなかったのか…勉強と人生につまずくメカニズムって意外にミクロなところに、小学5年生に習う成績のが起点にあったのです。


腑に落ちるのが重要について、事後的に調べたところ一応、センスメイキング理論という理屈があるそうです。

人は、データ等の数学的正確性ではなく、何故そうなるのかストーリーを理解し、腑に落ち納得して、やっと行動できるようになる。

SONY復活も平井一夫 元会長の同理論実践によるもの。
(ソニーとは?→平井会長は消費者に感動を届けることが原点と定義→株価総額7兆円に回復)
https://av.watch.impress.co.jp/docs/series/rt/629924.html

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カール=エドワード=ワイク名誉教授 センスメイキング理論を提唱。 https://dhbr.diamond.jp/articles/-/10189

数年前の私は「成績を上げるとは?漢字で成績が書ける(腑に落とす)ことが原点」と定義付けしていたわけです。至って単純。単純シンプルとは、奥が深いものです。ジョジョの奇妙な冒険 第3部で、イギーのスタンド能力を見た空条承太郎もこう言います。「うむ、シンプルなやつほど強い」「おれでも殴れるかどうか…

イギー!キミはカッコ良かったよ  奥深き漢字「成績」に迫る奇妙な冒険譚、漢字「成績」の物語、始まります。

 この物語を

 日本中の小学5年生に

 また自分が小学生だった頃を忘れがちな大人達に

 そして

 見たくない現実からも目を背けずに

 見つめる勇気を持った

 すべての人々に

 心からの友情をこめて贈ります。

 まつやまてつや

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ABC放送 Saint-Exupéry「Le Petit Prince」
https://www.youtube.com/watch?v=FT6Jzf7ycps


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「勉強はコツコツみ上げるものだから成積じゃないの?」(うん、気持ちはわかる!)
成績?通信簿とって何の関係もないよ?どう考えたって、おかしいじゃん!」(ふむ。なるほど。)
「ねえ、どうして成績(score)の偏が使われるの?理由は!?」(キミは少年時代のエジソンか!)
「意味が解らない!パパの説明、納得できないよ!納得できないから僕、これからも成積って書くね!」(おいおいおい…)

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上記は親子の架空の会話ですが、これが小学生5年生を境にして、成績が良くないほうに向かう、最初の第一歩・一丁目1番地・水準原点なのです。底値まで一気に悪くなるわけではありません。むしろ中1の何処かで一旦上がったりもします。これは大相撲に例えると序の口優勝のようなもので、元横綱・北の富士勝昭氏の解説によると、基礎習得中の、序の口の段階で優勝しても、その後の成績は伸び悩むといいます。(三段目、幕下優勝は将来有望)そのように中1の前半に序の口優勝しても、最も大切な基礎力を固めず、水面下では良くない方向に進んでいることに変わりはなく、次第に学力低下は表層に現れてきます。そこからはバブル崩壊後の株式チャートのように上下しながら、3万8915円87銭から6994円90銭まで着実に下降していくのが恐ろしいのです。

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最初の第一歩をガラパゴスな方向へと無手勝流に踏み出しているので、勉強をしても、やっても一時的に上がる事はあれども、平均移動線は下がる一方です。

加えてイラストの子は「成績?通信簿とって何の関係もないよ?どう考えたって、おかしいじゃん!」と言っています。これは試験委員の欲する回答とは掛け離れています。このままでは将来コミュ障まっしぐらでしょう。試験は試験委員との対話です。作家の日下公人氏は国家公務員試験に首席で合格しましたが、試験作問者の著作等から思想傾向を徹底的に調べあげ、試験委員が高評価するであろう答案を書いたといいます。

イラスト小5の彼のような方向性では、試験の意図に添った、正しい方向性で標準規格化された理解・整理・記憶と、問題演習の往復をする友には、太刀打ちできません。やがて彼らとは差が開く一方になりますが、両者には勉強の速度や分量にそこまで大差はありません。それなのになぜ指数関数的に差は開いていくのでしょうか?
そのメカニズムを図解したものが(成績の壺)↓です。


 

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基礎力を固めず、勉強の方向性も誤ると、橙線緑線黄線のように、壺の壁にカキーン、カキーンと跳ね返されLEVEL.10.20.30以上に成績を上げることができません。いま自分が何をやっているのかにも気が付きません。成績と同時に進路も乖離するので、青線の友達とは、きっと縁も遠退いてしまいます。クラス会や成人式、友の結婚式といった節目で、孤独で苦しい思いをすることになるかもしれません。

青線の友達は、
①何よりも情報収集に重きを置いて、
②師と良好な信頼関係を築き、
③師から成績優秀者の思考過程と、
④勉強の方向性の指導を仰ぎ、
⑤自らは勉強に専念し、
⑥成績の狭軌線から外れないよう、
⑦注意深く、相談を重ねつつ、学習を進め、
⑧最短距離でLEVEL.99へと進んでいきます。

※上図はお世話になった、ゆーき先生の動画中の図が原型です。ここ数年、法律系資格試験の合格率が軒並み上昇傾向にあるのは、伊藤塾平林先生をはじめとした予備校の進化に、様々な資格系youtube動画の充実等に依ります。


成績という字を「理屈を考えるよりも体得しなさい」「50回、100回書いて覚えなさい」という間違った方向性では漢字嫌い国語が嫌い語学(英語)も全部苦手という、かつての私のような勉強嫌いな子供が量産されてしまいます。中学以降は全教科で記憶量が飛躍的に増え、50回100回書いて覚える方法は通用しなくなるのは言うまでもありません。リソースは限られています。
福井県の全小学校では、漢字の成立過程や背景、精神を、甲骨文字、金文まで突き詰めた白川静博士の学説を2008年4月以降、国語の授業に取り入れています。児童に無味乾燥な漢字書き取りを強要するのではなく、漢字の成立を理解、整理、記憶する学習方法です。ノーベル賞の南部博士によると、福井県は大正新教育運動の時代から既に教育先進の気風に富み、更に遡れば越前・若狭は江戸時代を通して500以上の寺子屋がありました。今や福井県は全国学力テスト上位常連で、令和5年度の行政書士試験においても、福井県は47都道府県中、合格率第1位の好成績でした。福井!畏るべし!

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東京の「ふくい南青山291」において、福井県の小学校で実施している漢字の授業を体験してもらう「体験!福井の漢字学習」が実施されました。

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福井県の小学校で使われている副読本がAmazonや楽天ほかで購入できるようです。もちろん福井県以外にお住まいでも購入可能です。私自身も福井県教育委員会(編集)の「白川静博士に学ぶ 楽しい漢字学習」買いました。私の小学生時代にも、このような素晴らしい本があったら…と悔しい限りです。


そんな悔しい思いをするのは私までで十分です。成績はなぜなのでしょう? さあ、「カキーン、カキーンと跳ね返され続ける橙線ルートを回避」するためにも、成績という漢字の歴史から振り返ってみましょう。成績の歴史を振り返えれば、同時に漢字がなぜ数千年にわたって今日まで受け継がれてきたのか、その謎?に迫ることになるかもしれません。それくらい成績の成り立ちには謎が多く、現代日本の価値観では理解し難いものがあるのです。

さて、皆さんには、心のタイムトラベラーになったつもりで、時空を超えて数千年前の東部ユーラシアの価値観にフォーカスを合わせて頂く必要があります。

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前準備に、まずは下2枚の画像を見てください。じつはこれ、古代のSNSともいえるものなんです。

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成績の績はなぜ績なのか、古代のSNSこと、兮甲盤(けいこうばん)2850年前の青銅器(46億円)に、最初の手がかり(成績のルーツ)が見つかります。紀元前825年の周王朝(殷周秦漢蜀晋…の周)の時代ですね。

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兮甲盤(けいこうばん)とは要するにこういうものです。

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いつの時代でも人間のやることに変わりはありません。兮甲将軍が己の功績を刻ませたのは、21世紀の私達が国家試験に合格をSNSにあげて「イイね!」をもらうと同じです。Xの文字数制限は全角で140字ですが兮甲盤は133文字と、見事制限内に収めています。

兮甲将軍という人もまた、物事を純化し、シンプルにすると本質が見えるという美意識の持ち主だったと推察されます。…しかし兮甲盤、時代を2835年も先取るとかオーパーツ並みの凄さですね。オークションで46億円の値が付くのも納得です。

①周王(宣)が北方異民族を征伐すべく、親征。
②周王宣は同行した軍士「兮甲(けいこう)」に討伐と徴税を命じ、
③兮甲はそれらに成功、祝勝会で周王より褒賞を得る。
④兮甲は青銅器に己の功績を133文字刻ませた。

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①緑の枠は成周四方の責と読みます。(四方八方の四方って、2850年前に既にあったのですね)
兮甲盤133文字46億円ですから、
③この漢字5文字だけでも1億7300万円の価値があることになります(^_^;)
成周は周第2の城塞都市です。(ちなみに首都の城塞は宗周)
||||は漢数字の四です。
⑥四と書く前の時代は4本の横棒で四です(||||になったのはキングダム始皇帝の時代、文字統一以降になります)
⑦(||||厚切りジェイソンさんの漢字コントを思い出します。)
成周四方の責は超訳すればジャイアニズムです。
成周の四方(周辺地域)の収穫物は周のもの。周のものも周のもの…といったところでしょうか。

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閑話休題、橙の枠は其の帛(白+貝)、其の責、其の進人(そのハクそのセキそのシンジン)で、要するに租調庸です。歴史の授業で習いましたね。租調庸の歴史も兮甲盤に見ることができると思うと感慨深いものがあります。誠に貴重な第一級の歴史的資料です。が第一目的(メイン ターゲット)に挙げられていることに注目してください。しかしどうして主食の穀物よりも、織布のほうがメインなのでしょうか? え、兮甲盤に彫ってあるの古い字形って(白+貝)? 貝は通貨の漢字だから織布は、白い通貨?どういうこと?(もうお分かりですね!)

→織布
→穀物
進人→奴婢


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白+貝はさておき、時代を経るとで賦貢(租税)全体を表すようになります。白川静博士の字統によると、賦貢として納める農作物が、織布がとされました。甲骨文字の時代にはなかった新たな漢字です。500年経ってようやくが出現しました。成績のは、第一目標とされる租税、すなわち周王朝最大の歳入源のために作られた文字だったのです。

※東部ユーラシア伝統の蚕糸織布は、当時から世界最高品質で、後世の卑弥呼の時代、魏志倭人伝にも返礼品目として記録されています。(絳地交龍錦・絳地縐粟罽・蒨絳・紺青・紺地句文錦・細斑華罽・白絹…)

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も同じく租税ですが、殷や周の時代は鉄製農具はまったく普及していないことを忘れてはなりません。木製農具は損耗率が高く、作成も磨製石器か黒曜石による削り出しでしょうか。鉄製の鎌がないので、穂の収穫は石包丁。気が遠くなる時間、手間、重労働が必要です。鉄器普及による飛躍的な生産向上は400年後の春秋末期からです。当時の種籾1粒から採れる収穫倍率は4~5粒と推定されます。(現在の収穫倍率は1→約40粒)そして悪天候や自然災害の前に軍事・行政は無力です。たとえば東部ユーラシアでは、大規模な大雨や旱魃が起こると必ずといっていいほどトノサマバッタの群生相が発生して、大規模な農被害を与えてきました。蝗害は有史以来500回以上を記録、古代の頻度は平均して3年に1度。殷の甲骨文にも既に蝗害の記録が見られます。は歳入として極めて不安定だったのです。

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画像引用:東海大学院 今井秀周教授「殷代の蝗」東アジア飛蝗遷飛路線図+イラストや「バッタの大群」

は比較的ですが天候には左右され難く、行政による組織化、効率化、守秘義務、マネジメントによって質量共に安定したことが、後世の春秋左氏伝に記されています。絹糸を取引する官営機関、官営織場、官営裁場に、蚕餌桑畑の管理運営も王朝の重大事項でした。時代を経て蚕餌桑畑は黄河流域全体へと拡大することになります。(賦貢の)功績、(賦貢の)業績、(賦貢の)実績、(賦貢の)治績、(賦貢の)挙績、(賦貢と)戦績…績の付く漢字は、すべて周王朝期の軍事養蚕行政に起源のある漢語です。成績以外のこれら熟語にも、なぜが使われるのか意味不明でしたが、起源まで遡って、ようやく腑に落とす事ができました。(残るは成績のみです)
貴重な外貨獲得手段である蚕糸織布生産技術や、通経断緯等絹織物の技法は情報統制(守秘義務)も厳しく、西洋への伝播はユスティニアヌス帝の時代まで待たねばなりません。日本産の絹織物技術水準が本場に追いつくのも、ようやく江戸時代末期になってからです。
※天保13年、福島県伊達郡梁川町の中村善右衛門が養蚕用の寒暖計を発明。善右衛門の創意工夫により養蚕の温度管理が可能となり、日本の養蚕技術が飛躍的に向上した。

IMG_1319.jpeg絹織物の化石といわれる緙絲(こくし)は、経糸と緯糸を交互に織り合わせて作る、東部ユーラシアで最も伝統的な絹織物。(撮影 許叢軍_新華社発) 

しかし蚕糸織布生産技術において数千年に渡り世界TOPの品質、シェアを維持し続けたことは驚異的です。(対比すると、日本の半導体シェア売上高が世界70%→6%に転落するまであっという間でした)巨大プロジェクトが得意なのが大国たる所以なのでしょう。残念ながら半導体だけではなく、日本はこの巨大プロジェクトというものを大の苦手としています。蛇足になりますので、別記事に纏めておきました。リンクだけ張っておきます。https://www.rescue-119.jp/news/archives/1355


IMG_1827.jpeg少年の疑問は深まるばかりですが、本論の前に周王朝がを集める目的を明らかにしておくのも、重要と思います。周王朝は周辺諸国、特に東南アジアとの交易で貨幣(宝貝)を入手するためになどの交易品が不可欠でした。等を輸出して、子安貝を輸入していたのです。は(現代風に言えば)付加価値が高く、換金率が高い商品ということになります。漢字の「かう」に相当する「」や、「あきなう」に相当する「貿」、商業や商人を意味する「」や、貨幣などを表す「」も甲骨文字の頃から使用されています。後年の『漢書』食貨志によれば、宝貨制の貝貨は大きさによって5種類の価値があり、最小が3銭、最大が216銭に相当しました。なるほど、王や支配層には(白絹)がまるで白い通貨に見えたことでしょうね。

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ラブすぽ-gooニュース 「お金はいつ頃この世の中に登場したのか?【図解 経済とお金の話】」より
https://news.goo.ne.jp/article/love_spo/sports/love_spo-226144.html#google_vignette


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さて、更にもう一点重要で避けて通れないことがあります。(旧字は)の甲骨文字(右下画像)の字解を明らかにしなければなりません。そもそもなぜは責という形をした文字なのでしょうか?※以下ちょっと閲覧注意です。漢字は恋愛と同じで光があれば、漆黒の闇もあります。小学生の良い子のみんな、ヒトの闇が苦手な方は読み飛ばしてください。

①十字に組み付けた標木(華表)+貝(財産)の会意文字がです。
華表とは、殷周時代から今日まで、東部ユーラシアを象徴する伝統建築様式に用いられる、立柱祭祀の標柱です。甲骨文字と写真を並べて見比べると↓姿かたちが遥か昔と相似していることに驚かされます。

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③王宮や陵墓、そして使府(軍事・行政機関)の参道入り口の両側に建てられました。
④古代世界の標木とは恐ろしいモノでした。まずは甲骨文字の形に注目してください。縦木の先端が尖っていますが、いったい何を刺していたのでしょうか?現在の華表のてっぺんには蹲獣像が乗っていますが、これは諸葛亮孔明と饅頭のエピソードと同様、当時はドン引きするような何かを刺していたのでしょう。
⑤十字に組み付けた標木はタダの横棒ではなく、横長のHの形をしています。※上の方で出てきた兮甲盤「成周四方の責」の責の朿も横長のHの形です。
横長のHの形をした横木は甲骨文字「と同じ形です。死者を吊るす首枷の形です。なぜHの形をしているかというと両端は枷のストッパーです。※リアル首枷の画像はキツすぎるので、ニコニコ動画より画像引用させていただきました。

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⑦画像右上「責」の甲骨文字の横木右端から滴り落ちているのは「」と考えられます。ドン引きです。甲骨文を彫り込んだ神祇官のミスの可能性ですが、画像を見ると枷の右側は下から上に彫り込まれており、血の部分は上から下に(わざわざ逆方向に)彫り込まれていますので神祇官のミスは考え難いです。何よりも神に問う甲骨文に瑕疵は許される筈もなく神祇官の首が飛ぶでしょう。したがってこの記事では文字の一部としてわざわざ神祇官が流血淋漓​を彫り込んだと判断します。

IMG_1653.jpegIMG_1660.jpeg過去に発掘された甲骨文字につき「書き損じ」が無いことに驚愕させられます。それほど古代殷代の神に問う文字彫刻は、命懸けの仕事でした。一方で古代は文字に自由度があり、たとえば漢字の「車」で「左側の車輪が損壊した」を一文字で表すこともできました。流血淋漓の責も他の責と書き分ける何らかの理由プラスαの意味があったと思われます。

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の他に例えば、甲骨文字の虫歯の中にがいる一文字で「う蝕症(うしょくしょう)」を表します。この古代文字は見ているだけで思わず歯が痛くなってきます。

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ただの文字というのにアイロニーとユーモアがあり、かつ歯医者の無い時代の古代人の絶望と、虫歯を糸で縛り弓矢で抜くしか治療方法がない恐怖も同時に漂わせ、将に絶品です。このように、一文字で何種類もあった豊かで自由な表現も始皇帝の文字統一で消滅してしまいました。


横長のHは、死者を吊る首枷の象形.png
風習そのものを対比しますと、日本と余りにかけ離れた残虐なそれで、ドン引きです。たとえば白川説によれば、漢字は口(くち)ではなく神への祝詞を入れる口(サイ)ですが、その材質はどうもしゃれこうべのようです。(蛇足になりますので、別記事に纏めておきました。リンクだけ張っておきます。) 甲骨文字の口(サイ)その材質は何なのか? https://www.rescue-119.jp/news/archives/1400 

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画像:世界史の窓 https://www.y-history.net/appendix/wh0203-016.html
 

漢字の「道」も、都道府県の「縣」も下のイラストのように残虐です。「」「」「」「」「」「」のように死体、生首を殊更に吊り下げる残虐な風習や、儀式として大量に髑髏を使う習慣は、異民族に恐怖を植え付け、戦後の反乱を避ける等の意図があると思われます。「逆らえばこうなる」という見せしめです。ウクライナ戦争でも同じような(ロシア兵による)遺体損壊の残虐行為がありました。ユーラシアは周りが全て異民族のリアル・バトルロワイアルな大陸です。同じ人間でなぜ大陸と日本でここまで違うのか。もしも日本海が無く、地続きだったとしたら、日本もどうなっていたかわかりません。

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画像:本当は怖い漢字の由来より


時代を経てあの恐ろしかった標木はその形だけが残り、華表になりました。有名なものとして、天安門広場にある一対の華表があります。
『准南子』墜形訓によれば、華表は「都広に在り、衆帝の自りて上下する(天上の神と通じる)天の梯子」と理解されますが、華表が「天安門広場」にあるのが実に象徴的です。血生臭い歴史の記憶というものは、簡単には消し去り難いのでしょう。


周王宣が軍士兮甲に命じたように、軍隊で征服した地域を自国領土として使府(都護府・総督府)に標木(華表)​を打立て、占領地から財産を(軍隊や行政の執行力で)租税として徴収するという、王から軍士に課された責務の原義になります。現代でも公の強制力、執行力(逮捕・拘束・重加算)を背景に税金が徴収されます。今も昔も同じです。おそらく未来もそうでしょう。
しかし改めて振り返ると、経営管理はともかく、北方異民族、征伐、総督府、死者を吊るす首枷の標木(華表)、賦貢、奴婢とか小学生にどう教えていいのやら、現代日本の価値観と対立する概念が総出演します。即ち、ユーラシア大陸の厳しすぎる地政学的特性です。小学5年生に、ありのままを伝えるのか、そっ閉じか、皆さまのご家庭ではどのように伝えられるでしょうか。突き詰めれば明日の日本を良くする国造りのための最良の方法という話にもつながります。子育て=国造り。親は責任重大です。現代の人権思想・ヒューマニズムを踏まえた対比等、情操教育上、配慮ある説明は必要かもしれません。

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​※子育ては難しいです。


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長かった漢字「成績」の物語も、こちらの第三部が最終回になります。あまりの長さと、独特な内容に、途中そっ閉じの方が98%と思われるなか、第三部のここまで読んで頂いた2%の(物好きな)皆様に誠に厚く御礼申し上げます。
(-人-) 
本題に戻りますと、白川博士の字統によれば、成績の原義はscoreを意味するものではなく、「賦貢の納入が規定に達すること」を成績(績ヲ成ス)といい、規定に達しないことを弗績(不績)といいました(※弗には「二つに分離」→「否定」の意味がある)

大事なことなので2度言います。賦貢徴収のノルマ達成をもって績を成す=成績だったのです。

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軍事行動に敗れて賦貢がゼロだと敗績です。【楚辞、離騒】に「皇輿の敗績せんことを恐る」の句があります。王は軍士に績を責任としてノルマを課しているのです。生死を賭けた極限のプレッシャーです。この DEAD OR ALIVE の構造は大学入試や国家資格試験のAll or Nothingの過酷さと酷似しています。受験指導塾・予備校や教材に多額の課金をして、貴重な時間を費やし、人生を賭けて、規定合格点に達するべく勉強し、プレッシャーに耐えて、最後は運も味方につけて、やっと合格率5%未満の本試験に合格、ハッピーエンド…では終わりません。それだけして、やっと得た合格は通過点に過ぎず、次は実務上の成果が求められます。敗績=不合格になればスタートラインにすら立てません。富も名誉も時間も、すべてを失うというわけです。

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【楚辞、離騒】楚、屈原(BC343~278頃)


周王朝 DEAD OR ALIVE の評価構造

  戦いに勝利し、新たに領土は獲得できたか? 賦貢の徴収は、王が課した規定に達したか? 効果
成績

地位
名誉
財産
婚姻
陞爵
栄達
子孫
繁栄

不績 × 戒告
譴責
懲戒
左遷
降格
減俸
肩叩
敗績 ×

亡国
赤字
失脚
離縁
罪刑
投獄
自決
犠牲者…


ここまで長々と記述してきましたが、まだ謎が残ります。周王朝のDEAD OR ALIVE の評価構造と、後世の官吏登用試験や、科挙制度のAll or Nothingの評価が、その過酷さ等において余りに酷似しているため、いつしか学業や試験の評価に成績の文字が使われるようになった…と思われますが、思われますの表現の通り、これは推測に過ぎません。古代の成績(ALIVE)が、試験の成績(score)に使われるようになった過程が不明で、資料も見つけることができませんでした。とはいえ状況証拠的に、春秋後期~戦国時代に成績は、ALIVE を意味する隠語として、内々に使われたのと考えるのが自然ではないでしょうか。通常は周王朝滅亡と共に、成績も死語になる筈です。どこかの誰かが拾って再生したのです。そのように仮定すれば、成績がこれだけ理解するのに何枚も何枚もベールを剥いでいかなければ辿り着けない理由も納得することができます。隠語ですから意思の疎通ではなく意思の阻害が必要で、意味不明な文字「」で表すことは、むしろ必然だった…現代日本でも中学受験に関する隠語はたくさんあります。


逆比 なぜ比が逆になるのかという過程をすっ飛ばし、結果のみを取り上げて強調するための用語。
コアプラス サピックスの理科、社会の教材。
カリテ カリキュラムテストの前は借りてきた猫のようになっている現象。
お客さん 上位クラス以外の、ただ通っている(ように見える)生徒。
お地蔵さん 講義中、理解できずに固まっている(ように見える)状態。
GS特訓 ゴールデンウィークサピックスの略。 朝の9時から夕方の5時まで授業を行う。休憩時間は30分。 
島津パパ 漫画『二月の勝者』に登場する島津家のように振る舞う父の事。


ある高専でも、成績に関する隠語が、勉強会で飛び交います。

破壊神 クラストップ
十賢 上から10番以内
十本刀 下から10番以内
守護神 クラス最下位
絶対的破壊神、永遠の破壊神 常に成績トップを取り続ける生徒
https://kosen-sei.site/score/


第100代内閣総理大臣の母校ではクラス最下位をとった生徒のことをアーサー王伝説(聖剣エクスカリバーを抜くほどの力があるのに、肝心なところで失敗する伝説の王)になぞらえてアーサー。成績がクラスで下から2~13番目は円卓の騎士(アーサー王の側近12名に準えて)と呼ぶようです。今成績が悪くても、地力があることは認めており、「剣よりペンの方が強い」と笑いに変えているのです。

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このように受験生、関係者は受験関係用語、隠語を使うのが好きです。隠語って若干笑ってしまいますね。ブラックなスパイスも欠かせません。隠語には短縮・隠蔽・親和・集団帰属意識強化の他に、試験の精神的重圧・漠然とした未来への不安を、少しでも笑って中和させる精神安定的作用が若干あります。古代の受験生たちも同様に、その過酷さ故に成績敗績という周時代にはDEAD OR ALIVEを意味していた物騒な言葉を比喩的かつ自虐的に使い、そして言葉の裏側の笑えない部分をしみじみと噛み締めたのでしょう。

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試験というものは受験人口の増加や、受験生側の対策が進むことで更に難化します。当初は隠語だったものが試験が難化するにつれ試験関係用語になっていったのでしょう。1970年代の日本にも受験地獄という受験用語があったといいます。実際に阿鼻地獄や叫喚地獄に落ちるわけではありませんが、競争率の激化によって受験生にとっては人生を賭した厳しい状況になっていったと。ほんの50年前のことですが全入学時代になった令和の日本では実感としては分からないものがあります。


この記事では、成績古代の受験生・関係者の隠語・用語が一般化し、現代まで生き延びた、例外中の例外ともいえる言葉と結論付けます。春秋戦国期の当時の特殊な比喩表現ですから、現代人には余計に理解することが困難で意味不明です。50年前の日本の感覚ですら理解が難しいというのに、まさか数千年前の東部ユーラシア大陸のブラックジョークの感覚まで感知しないといけないとは(^_^;)

◎漢字「成績」を理解する為に必要な一般知識等
・地理・歴史・気象
・生物・軍事・政治
・経済・税制・農業
・経営管理・立柱祭祀・地政学・SNS
・ロマンホラー!~深紅の秘伝説~ JOJOの奇妙な冒険
古代のジョークNEW!!


成績は約3000年の時空を超えた、人々の歴史、栄枯盛衰、生きる厳しさ、紙一重の差、時の運、受験生の悲喜、不条理の世界…といったものが現代にまで伝わり、そしてひとつに繋がる、ながい長い物語といえるのではないでしょうか。
「地名はその土地の記憶」といいます。地名に記憶が刻まれているなら、漢字にもその歴史の記憶が刻まれているに違いありません。漢字の由来をひも解けば、大陸の厳しい現実を生き延び、巨大プロジェクトを成功させてきた大陸の人々の思いが甦ります。同時に大陸文化や漢字等の良いものだけを抽出し取り入れ、「バトルロワイアル・残虐な風習・恐ろしい漢字の由来」を拒絶してきた我が国のご先祖様の取捨選択の知恵にも頭が下がります。古代から受け継がれた人々の営み、伝統文化、歴史を映し出す言葉もまた、かけがえのない未来への遺産と思います。

前述、福井県の古代文字の授業において泣き出してしまう子がいるといいます。自身の名前の文字の由来が恐ろしい事を知ってそうなる子が稀にいるそうです。泣く必要はまったくないのです。なぜなら日本の漢字は残虐さの欠片も無い誇り高き日本の文字であって、磨き上げられた日本語そのものなのです。(日本人の良いとこ取りの精神。大陸の悪いものは取り入れない精神)古の菅原道真公の遣唐使廃止をけじめとして、大陸の残酷な文化風習刑罰とは訣別しているのが日本です。道真に聞いても「泣く必要は無い」とキッパリ答えることでしょう。

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画像引用:灰原 薬「応天の門」第一巻表紙


まとめ
(なぜ成績なのか?)

①3000年前の国際通貨は宝貝だった。※アンダーソン (J. G. Andersson)  松崎寿和訳『黄土地帯』1987, 六興出版
②金文によれば、周王朝はa.財貨、b.諸侯に下賜する賞賜、c.呪術的装飾品、d.遠くは印度との交易(後のシルクロード交易)の媒介等ために、宝貝が必要だった。
③国際的に競争力のある高品質の絹織物を輸出し、東南アジアから宝貝を輸入した。※後の漢代以降、絹織物(シルク)はシルクロードを通じてユーラシア全域に伝わった。
④より多くの宝貝を得るため、周王は周辺諸国を攻め、華表を立て、蚕糸織布他を賦貢として取り立てることを、配下の軍士たちに命じた。
⑤やがて織布の賦貢を表すために、甲骨文字の時代には無かったという漢字が新たに作られた。
の納入が規定に達することを成績といい、達しないことを不績といった。
成績は軍士たちに課せられた重い責任だった。その失敗を敗績といい、敗績は全てが終わることを意味した。
⑧このDEAD OR ALIVE の評価構造と、後世の官吏登用試験や、科挙制度のAll or Nothingの評価が、その過酷さ等において余りに酷似しているため、いつしか学業や試験の評価に成績の隠語・試験関係用語がブラックジョークとして比喩的に使われるようになった。
⑨用語が浸透し、ジョークの要素が薄れ往き、一般語になった成績は、浸透の仮定で、周の時代の成績不績敗績、全ての意味が、成績に統一(吸収合併)されるが、難関試験の9割以上が不合格になることを考えると、敗績の隠された存在感が内実として大きい。
成績は、(シベリア抑留民によって日本に齎されたノルマ'Nopma’のように)それを肺腑で体感した遣隋使、遣唐使の留学生によって、日本にもたらされ、令和の現在も尚使われ続けている。
⑪古代と現代の成績で決定的な相違点。古代の敗績に命の保証は無かったが、試験は不合格でも命まで取られることはない。


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大河ドラマ「どうする家康」秀頼はどうする?

こんにちは。行政書士の松山です。令和5年の大河ドラマは丁度大阪冬の陣の直前辺りになります。

私(松山)は尾張の人なので、どうしても三河の家康よりも、尾張のプリンス・秀頼の方を判官贔屓してしまう。右大臣豊臣秀頼は祖母の兄が織田信長、父親が豊臣秀吉、祖父が浅井長政、義父が徳川秀忠、義祖父が徳川家康と、将にプリンスに相応しい「戦国の貴種」だったりします。

ただ貴種というだけではなく大阪冬の陣では、包囲した東軍を大阪城もろとも「逆水攻め」するという、太閤秀吉ゆずりの戦術は、将棋でいう「敵の攻め駒を攻める」にも通じ、侮り難しの印象を受ける。やることのスケールがでかいし、秀頼の身長は空条承太郎よりも2cmでかい(197cm)。

さて1611年(慶長16年)3月27日、家康と秀頼の二条城会見の前夜、家康は思った筈。「まさか右府様(豊臣秀頼)、今晩あたりお忍びで来られるか?」
秀吉に内々に「電撃訪問」された昔を思い出して、想定はしていたと思う。
家臣一同にも「あの太閤の子だからあり得る。心の準備だけはしておけ」もしかするとこんな事を言い含めていたのかもしれない。
秀頼はそうすべきだった。腹を割って酒でも飲んで「義理の祖父」家康と語り合っておくべきだったと思う。亡き父秀吉の思い出話を、大叔父の信長の話を、祖父浅井長政の話を、戦国の生き証人家康からよく聞いておくべきだった。そうすればまた違った歴史になったのかもしれません。

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